甘さとほろ苦さが読後に残る美味しい小説
 この度は、トピックに参加していただきありがとうございました。 巧みな文章表現によって、日常の何気ない風景と主人公のままならない心情がリアルに描かれているお話しでした。   コーヒーの上に浮かぶアイスクリームを満月に見立てるという冒頭から引き込まれ、「この小説はきっと素敵なお話だ!」と確信しました。コーヒーフロート、そして対比となるクリームソーダという飲み物を通して、主人公の苦悩ややり場のない心情を表現する、そのテクニックに脱帽です。一書き手として、尊敬の念を抱きます。また、主人公を含む登場人物の生活が五感を用いて丁寧に描写されており、まるで自分がその場にいるかのように感じられました。  最初から最後までどのシーンにも素敵な部分があるのですが、特に好きなのはクリームソーダを飲むシーンです。溺れて見えるアイス、想像できる味、そして甘さをこれまでの生活に重ね合わせ嫌悪を感じてしまう心情。とても好きです。  こんなにも素敵な作品に出会えたことが嬉しいです。本当にありがとうございました。
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