凪 未宇

異常罪状。実に興味深い発想でおもしろいネタだと思いました。 その着眼点もですが、全体の文のバランスが良くて構成の骨組みもしっかりしてていい作品だなぁと素直に思います。 ただ、内容が多少過激な描写があるので、表紙に注意書きとかしたほうがいいかも知れませんね。自分は全然平気な人種なんでいいんですが… 読んでいて気になったのは、まさにこの話の主軸でもある異常罪状の説明。表紙の説明でさらりと書かれても、文中でもその仕組みを理解するまでにかなり時間がかかってしまいます。 また序盤の教師などの行いでもそうですが、罪を重ねて彼らが罪状の力を強める意義であったり、そうすることでの彼らの得などが明確に見えているようにしたり。 何故その罪状で街を歩くことができる社会になったのか。何故そういった罪状がつけられるのか、もしくは誰がつけているのか。 現代ファンタジーは特にそうですが、早い段階で自分の作品の世界に読者を引きこむ必要があるのではないかと思います。 「罪」という言葉は既に罪というイメージが、犯罪にも同様のイメージがついています。そういう相手に読んでもらうわけですから、多少説明くさくなってもこの部分は世界観説明の一環として早い段階で丁寧に行っておくといいのでは。 何の罪状になるかといった枠組みも同様です。 その辺りが、主人公の話が進まない段階で明らかになっていると読みやすくなるかと思います。 後は主人公がどんな思考をもっているか、彼の思っている今の世界や罪状についてなどがもっと見えるといいのではないでしょうか。

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