吉田安寿

幻想的なカタルシスの物語
ベースとなった宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』は、読んだことがないのですが、それでも十分に楽しめました。 自然災害に巻き込まれた親友のシホさんを助けることができず、自分を責め続けてきたミサキさん。その苦しみは自分の中にシホさんの人格を創り出してしまったほどで、なんとも悲しく痛々しい。亡くなってしまった人は、その思いを伝える術はなく、また生き残った人は「どうして自分が助かってしまったのだろう」「あの時こうすれば良かった」といった後悔が尽きることはない。ミサキさんの心の一部はシホさんを失ったあの日、一緒に死んでしまったのかもしれません。その後の彼女は死に場所を求めていたようにも思えます。 そんな中、いつの間にか銀河鉄道に乗車していたミサキさん。少しずつ記憶をたどり、明らかになっていく真実。本物のシホさんに会えて、赦しというか、彼女の気持ちを聞けたのは本当に救いになったと思います。それはきっとシホさんも同じですよね。生き残って苦しんでいるミサキさんを自分の死という呪縛から解くことができて、きっと思い残すことなく天国へ行けたのではないかなぁ。 こちらの作品は、とても幻想的かつ感覚的なお話です。なので、ぜひ夜の帳がおりた静かな環境のもと、心を落ち着けて想像力を解き放ち、ゆっくり、じっくり読んでいただきたい。そうすれば静かなノクターンの調べの中、遠くの方から銀河鉄道の汽笛が聞こえてくることでしょう。素敵なお話をありがとうございました。
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あわわわ…!なんと素敵すぎるご感想をいただけて感激です😭🌃 おっしゃる通り、感覚的で視覚的な書き方をしているので、わかりにくいかな? と心配だったのですが、作者以上に深く読み込んでいただけて、安堵と感動でいっぱいです🌖 ちゃんと伝わって良かったー💦 夜の帳って、凄く素敵な表現ですよね✨✨ ノクターンが聞こえてくるだなんて…いただいたレビューそのものが、うっとりとする作品のようです☺️ 本当にありがとうございます。
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ご丁寧にありがとうございます😊 だって素敵なものは素敵なんですもの〜✨ よすだ、ホントのことしか申しませんの( ー`дー´)キリッ
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