伊東いろはす

シビアな問題にも笑顔で向き合う勇気をもらえる作品
結婚、出産、子育て……するにしてもしないにしても、多くの人が何らかの形で考える機会があり、それぞれの価値観が少なからずあると思います。だからこそ、これらのテーマはデリケートなもので、人によってはそのことで深く思い悩み、傷つくこともあるでしょう。 こちらの作品の主人公・宮原絵美もその一人。彼女は生まれたばかりの赤子に尋常ならざる恐怖を抱く“ベビー・アレルギー”。物語開始時には赤ちゃんに触ることもできず、話題に上るだけでもパニックになるほど強い反応を示していました。それは周囲の人間の目には異常であるかのように映り、彼女は心ない非難をされてしまいます。絵美さんのこの理解されない胸の内はとても苦しいものですが、軽妙な語り口による文章で無理なく共感することができました。この主人公の物語を是非とも最後まで見届けたい、と思いながら読み続けた次第です。 作中では、不思議な赤ん坊・ルナちゃんに出会い、お世話をすることになる経緯をはじめ、絵美さんの身には様々な出会いや事件、イベントがジェットコースターのように怒涛の勢いで起こります。その度に読み手の私はハラハラし、「こうだったらいいなあ」「こうなったら幸せなのになあ……!」と、あれこれ勝手なことを考えたりしていましたが、理想通りになることもあれば、決してそうはいかないものも……。作品自体はコミカルなテンポでありながらシビアな問題からは目を背けずに書き上げた作者様の手腕に脱帽でございます。 何よりも、ラストが本当に見事だと思いました。絵美さんのアレルギーがどうなって、人生をどのように決断するのか……結末の詳細をここに記すことは控えますが、めちゃくちゃ素晴らしくて、思わず涙してしまいました……! 胸いっぱいになる愛おしさに加え、自分の現実の問題に対しても勇気をもらえる、そんな思いの読後感でした。 本当に素敵な作品をありがとうございました!
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いろはす様✨ 素晴らしいレビューをありがとうございます😭✨ 長い物語に最後までお付き合いいただけましたこと、また、そっと寄り添ってもらっているかのような多くのペコメ…大感謝でございますm(_ _)m この物語は私自身の長編処女作、を改稿したものでして、思い入れもひとしおです。そんな思い入れある物語で誰かの背中を押すことができていたなら嬉しい🥹✨ 本当にありがとうございました💕
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