倉橋

西氏の情報発信に期待する
 ヒグマ出没の弊害は、日本各地で起きている。  素人の政治家が、大きなビジョンも持たずに、「共存」を叫び、被害が拡大している様子には憐憫を浮かべるしかない。  ならば、この政治家は無秩序にヒグマのカテゴリーに進出した住宅などの施設を完全撤退させるとでもいうのか?  半世紀前以上に『三毛別ヒグマ獣害事件』についてのレポートがまとめられた。  多くの遺族が、二度とこのような悲劇を起こさないことを心より願って、重い口を開いた。  そしてこのレポートは、本来人間が住むエリアではないところに、開拓の美名の下、多くの人々が居住していた事実を示している。  半世紀経った今も同じ状況が続くのを見るときに、学ぶことを忘れて欲望と快楽に走る人間の姿の本質を見る。  これが文明なのか。このような文明に果たして未来はあるのか。  西氏は北の大地にしっかりと足を着けて生きる日常から、日々、様々な情報発信をしている。  この作品は、「君たち」ではなくて、「私たちがどう生きるか」を西氏が問いかける迫真のレポートであったかと思う。  魔の熊は必ず戻ってくる。今度戻ってきたときには、決して防犯カメラにも映らず、体毛も残さず、決して人間の前にその姿を見せず、我がもの顔で、北の大地を蹂躙していくだろう。  
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倉さん。痛烈にして爽快なレビュー、誠にありがとうございます。 どんな時代の、どの土地においても、開拓というものは痛みを伴うものである、という真実を、僕らは本気で考えなければいけない。 倉さんが書いて下さった通り、「君たち」ではなく「私たち」の問題として考えるべきである。 目まぐるしく変化する時代の中で、私たち一人一人が、自らの生き方、自らの心そのものを、自ら開拓しなければ、いけない。 自分の心を開拓する時にも、非常な痛みを伴う。苦痛を伴う。 だからと言って、自分自身を開拓する事を止めるという事は、発展する可能性を自ら失うという事だ。 いろいろな理由をつけて、安直な殻に引きこもる日本人が増
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 今後も西さんの情報発信に大きく期待しています。よろしくお願いします。
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