Joe Jan Jack

構成の妙がつくる余白に差すのは…
妾腹とはいえ、名家の跡取りに生まれたはずの周。父の後妻に追いやられた蔵にいた〝先客〟。 物語は、一度は養子に出された周が、再び家の都合で蔵に戻されたところから始まります。 先客との再会は、彼が書いた原稿を周が読む形で紐解かれます。そこには彼の正体と秘密がまことしやかに描かれており、周は困惑しながらも、子供の頃の記憶を蘇らせるのでした。 書かれていたことがどこまで本当か、周にはわかりません。ただ、大切な存在と再会した事実だけを確かめて物語は終わります。そこに構成の妙があると思いました。 原稿の内容が嘘であれば、蔵に押し込められた二人にはいくらかでも救いになるのでしょうか。そうあってほしいと思う反面、二人にとっては些末な問題なのかもとも思います。 余韻のあるラストに、胸が苦しくなりました。
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な……なんと…、アングラ過ぎるこの作品に、レビューいただける日がこようとは💦 驚き&恐縮です、ありがとうございます…! 横溝正史の『蔵の中』のオマージュ、と言ったらあまりに稚拙なのですが、そんなイメージで書きました。 小説は文字情報しかない分、ミスリードできる面白さがあります。とはいえうまく表現できているか自信はなかったので、余韻あるラストとのご感想をいただきとてもホッとしています^ ^ あの小説が全部本当だった場合、遺伝子の常識がひっくり返るのでしょうか? ううん… 遺伝子はロマンですね🎈
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