Joe Jan Jack

あふれるキャラ愛、濃密な時間
こんなにみっしり、よくぞ書き上げた…!というのが、まず最初にお伝えしたい感想です。 愛し愛されつつも、その時代の身分事情やら時空的物理的事情やらで「ハイ好きー!」とはなれないアリーシャと若葉。彼女らから滔々と吐き出される独白を書ききる語彙力。すごいの一言です。 「転生(モノ)」にも「歴女」にも詳しくない私は、転生モノといえば死後の生まれ変わり、歴女といえば日本史おもに戦国か幕末、みたいな固定観念で読み始めてしまいました。 が、読んでみたら、前世の記憶は記憶ではなく別人格で、歴女は歴女でも科学史オタクというニッチさ。 予想を大幅に裏切るSF大作でした。 作者のキャラ愛の深さも感じました。 ストーリーを壊さず、でも弟くんやヴィルヘルミーナにもスポットを当てるには、けっこう構成考えないとだと思います。 それが不自然でなく、ヴィルヘルミーナに至ってはめっちゃ「らしく」成長していて、それゆえに二人の行く末が読めないところなんかは、SNSでいうところの「いいね」連打の気分でした。 意外だったのは、災厄を退けてハイ終わり〜でなかったところ。こわいやつ、いなくなりました!めでたしめでたし…ではなかった! アリーシャとリヒャルトは結婚にこぎつけ、エックハルトは。…切ない別れを経て、若葉は目覚める(!) そして…。 じーんとくるラストでした。 個人的には、ヴィルヘルミーナやエックハルト以上に若葉もクセつよだと思うんですよ。 正直、最初は少し共感するのが難しかったです。 ただ、若葉は愛されるために駆け引きしたり、すがったりしない。エックハルトの救済を考えて言葉と行動を選べる、そういう形の愛の人で、いやそこは感情のままに流されちゃってもいいんじゃないの?とツッコミつつ読むからこそ、ハッピーエンドの「えがったねぇ〜泣」もひとしおでした。 ありがとうございました!
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ご感想ありがとうございます! 若葉、最初は「心の声での自虐がうるさい早口オタク女で、挫折を経て鼻っ柱折られているとはいえ本当は気が強く自信家な所もあり、恋愛には基本的に斜に構えている、皮肉は自己防衛のためで内心は臆病」というタイプですね。クセ強っ😂 そんな、年齢にしては子供っぽい、でもそれが逆に年相応なオタクのアラサー女子が、自分の死を(曲がりなりにも)経験し、自分の内面にある力を自覚し、女としての苦悩を経て、成長し一皮剥けた結果の結末と思っていただければと思います……どうでしょう、いい女になってますでしょうか?🤔 しかし「あの選択」は作者自身が悩みましたね。 また最後に至っても二人とも何
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