倉橋

母と子で読む児童文学の佳作
 幼児を主人公にした愛らしいファンタジーであり、かつて児童文学をめざしていた筆者は興味深く読んだ。  恐らく不思議な友人の正体については早々と気がつく人も多いとは思うが、不思議な友人との出会いと交友、別れが、読者に好奇心と冒険心、そして爽やかな涙を伴う感動と、これほど見事に計算し尽くされた完璧な作品は見当たらない。氏の作品の中でも完璧さという点では、間違いなく代表作に挙げられるかと思う。  課題となるのは読者対象であるが、むしろこの作品は、幼稚園や保育園、家庭で、年長者が幼児に読み聞かせてお互いに交流しながら読了する作品としてとらえると、非常に意義深いものとなるような気がした。  元々、子どもの読書と云うのは年長者が子どもたちに読みきかせ、彼らの質問に答えたりしながら、読了することを出発点としている。  この作品が幼稚園や保育園で保育士と園児によって、そして家庭では母親と子どもたちによって、広く読まれる機会が来ることを願って止まない。  幼稚園や保育園の教材の中には、ひとつの作品について幼児独りで読めるように簡潔に簡単にまとめたパターンと、保育士が読み聞かせるパターンのふたつが用意されたものがあったと記憶する。  この作品は、幼児教育の立場から、色々な可能性を秘めた作品と考えている。  
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倉橋さん、身に余るレビューをありがとうございます。 親子や保育園などでの読み聞かせに向いていると言っていただいて、嬉しいです。 小さなお子さんがひとりで読むには少し難しいと思いますが、読み聞かせなら楽しんでもらえそうですね! いつかそんな日がきたら、本当に嬉しいのですが(*´ー`*) 児童文学に造詣が深い倉橋さんに、レビューいただいて、とても光栄です! ありがとうございます(*´▽`*)
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