実直かつ個性的なダークヒーローたち
珍しい切り口の群像劇  キャラストリーになりがちな群像劇の中で、本作は数多くのキャラクターをあくまでもキャストとして、本題からそれることなく ”消滅代行人” を全うしていました。登場人物というのを増やせば増やすほど彼の生きざまは○○で、彼女は▽▽で、といった感じのコトに悪く言えば脱線しやすいので、上手く我慢してかけていると思います。 ・しっかりとした相関図  登場人物が多めの作品では、よく主人公(中心人物)との関係のみつづられ、それ以外の関係がなくなってしまい、箒のような相関図になってしまうことがあります。本作ではイレイザーのメンバーたちそれぞれに個性があり、それぞれの思想、得意分野、人に対する評価がはっきりしていて、キャラたちが、ちゃんと生きている。世界がしっかりと作られている、という作者様のこだわりが伝わってきました。 ・因果と動機  キャラに悲しい過去が存在し、それゆえこうこうしている。という人間としての必然性の描写がしっかりとなされていました。ダークヒーローに『なぜそうなったか』という因果を加えることで狂信性が薄れ、いわゆる『正義中毒者』を見ているキツさが消せており、ライトサイドに対する嫌悪感を持つことなく読むことができました。 ・キャラ紹介  一ページ目のキャラ紹介。これぐらいの情報なら作中で描写しちゃった方が理解しやすいかもしれないです。あと容姿に関する情報もうチョット欲しいです。 まとめ  ダークヒーロー的立ち位置のイレイザーたちによる法から零れ落ちた犯罪者たちへの制裁をつづった物語。SNSを通じて遠くの『悪意』がよく見えるようになった昨今、本作に共感したりドキドキする人は多いのではないでしょうか。切り口や物語の展開も独特で、いい意味で "異端" な本作の個性と、しっかりとつじつまや因果のそろったまっすぐさを、これからも大切に頑張ってください。
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レビューありがとうございます。 是非他のseasonも読んでみて下さい。 宜しくお願いします。
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