ॐ徐清

蠱(まどわ)され、狂わせられる。めくるめく深海の愛憎劇。
詳細に描かれた独自の中華世界で繰り広げられる、究極の愛憎劇。 覚悟して挑むべき深海でありつつも、主人公の強さに救われる。 タイトルの「蠱」にふさわしく、ページを進むにつれ不思議な呪力に引きつけられ、惹きつけられ――気づけば深い海の底で生命力の核心に触れている。 「愛している」などという陳腐な言葉では表わしきれない究極の愛がここにあり、対照的な憎しみも恨みも全て呑み込んで――生命という大海が存在している。 耽美で蠱惑的でありながら、泥臭い人の生き様さえ出し惜しみ無く描く。 事件の真相は裏の裏のそのまた裏――登場人物それぞれの欲望と祈りの中に存在する。 人間の心にある光と闇、その両方に斬り込んでなお生きることを選択する主人公の強さと、彼女とともに突き進んだ作者様の洞察力に脱帽しました。 一年の最後にこのような作品に出逢えて嬉しい。 今年の幕引きと、来年への課題提起。 その両方を担ってくれた貴作品に心からの感謝を。 そして作者さまに心からの敬意を表します。 ありがとうございました。
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長い話を読んでくださりありがとうございます。 しかも不穏コメディには過分なほどに深遠に読み込んでくださり、おおー自分の作品にはこんな側面が、と驚きを感じました。 そっか、生命力の話なんですねこの話は。たしかに生命力の中には喜怒哀楽が全部ありますよね。 蠱女っていう単語を辞書で見た時に、タイトルこれだなって思いましたけど、蠱ってまどう、っていう意味があるんですね。 主人公がいろんなものにまどわされたこの話が、人を少しでも楽しませられていれば幸いです。
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