かけ離れていく心と現実のはざまが美しい物語
・簡潔で分かりやすい文章  『最後に赤ワインを一口飲んだ。まろやかで、だけど少し辛口で~~』といった感じで、文章が簡潔で読みやすかったです。ただあくまでも簡潔なだけで不足しておらず、描写、心情、そして印象付ける行動、といった具合に、必要なものがギュッと凝縮されていたのも非常によかったです。 ・含みとミスリード  『彼、上手なんだね』の部分です。看破されたのか、見限られたのか、それともただ "りら" が過剰におびえてしまっているだけなのか、このシーン一枚から様々な感情の分かれ道が発生しており、読んでいる読者に対しての緊迫感、焦燥感を強く募らせていました。思わずページをめくり続きを知りたくなる。小説として素晴らしい技術だと思います。 ・心と現実、二つの行動  これが非常に興味深い動きをしていました。ムリに繕う現実の行動と、捲られるたびに寂れ、冷えていく心。同一人物から発せられる逆向きのベクトルは、コップからこぼれていくコーヒーを見ているように、『ああ、ああ!、』と、取り返しのつかないものを目撃している、そんな気持ちに引き込んできました。『わたしも精一杯、にこにこしている。』と不意に混ざるのも含めて面白かったです。 まとめ  簡潔でサッパリとした文章の中で、どんどんすれ違っていく現実と "りら" の心が鮮明に描かれていて、非常に見る人を掻き立てる作品でした。ところどころ現れる濡れ場や、どこか欝蒼めいた独白も、全体的にこの物語をよりディープに、かつアダルトチックなムードに仕上げています。一人称視点のメリットをフルに生かした、ゆがんだ視点から覗く悲恋のお話。ここからどうなっていくのかが非常に楽しみです。この調子で頑張ってください!
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ねんね様、 ご感想ありがとうございます!! 細かいところまでしっかりと評価していただき、ありがたい限りでございます。 とても嬉しいです。 わざわざ貴重なお時間をお使いいただいて読んでいただき、本当にありがとうございます。 これからも試行錯誤しながら続きを書いていきますので、今後ともよろしくお願いします。
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返信ありがとうございます。コチラこそ素敵な作品をありがとうございます!これからもよろしくお願いします。
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