エンタメな設定から見せる、とんでもない社会派作品だった
これは優れた教本とも言える。 とある「同調」というあり得ない現象からワクワクと展開に引き込まれる。さらにアンケートという形で実に受け入れやすいのだが、それはやがて読者の範疇を超える。いつしか唸り、考えさせらているのだ。 現実として、ここに書かれていることは本来蔑ろにしてはならないことで、このままでは破綻するであろう人間社会の仕組みが垣間見れる。 心の結びつきを形にせざる負えなくなった愚かな文明の末路を私は見てみたい。
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夜空さん、感想ありがとうございます。本棚にも登録していただき、光栄です。 あり得ないことが起きた時、社会はどのように変容するか。『同調』はそんな思考実験の元生まれました。 この物語では顔が変わるという全人類に関わりのある事象が原因となっていますが、例えば苗字等に置き換えても問題なく読めてしまうかもしれません。そう言った意味では社会派と呼んでも差し支えないでしょう。 その時、彼らの言動の印象は大きく変わるかもしれません。不完全な仕組みを当然のものとして享受し、ゼロから一を作ることを止めてしまった愚かな文明の末路は、意外とすぐそこまで迫っているかもしれませんね。
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