suekoneko

小野原さま――『スピリティスモ』を拝読しました。前に、途中まで読ませていただいたのですが、時間があいてしまったので、また最初から読みなおさせていただきました。塔から脱出してルーナの生まれた村へ辿り着くまで、キャンプしながら進むところ、面白かったです。ベルナルドが冷静で頼もしくて、ルーナの身体のなかでミナがベルナルドに恋をしたら、どうなるのかしら? などと想像していました。 とても凝った設定になっていますね。単純な「死んで、異世界転生した」という物語ではないのですね。ほとんど異世界転生ものは、「死んで、気づいたら某国の王女さまだった」というような設定になっています。じゃあ、もともとの王女さまの「中の人(魂)」は?どこへ行っちゃったの?という疑問は最初からスルーされているのが普通です。 『ハウルの動く城』の作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズは、『魔女と暮らせば』という作品のなかで、パラレルワールドが10個あったとして、1番目の世界にいたA子が、2番目の世界のB子に転生したとき、B子は3番目の世界へポンと押し出されるように出ていく……3番目の世界でB子に転生されたC子は4番目の世界へ押し出されて……というように説明しています。こういうフォローの仕方に納得したものです。 『スピリティスモ』では、未成仏霊の状態でルーナに呼ばれたミナ、という設定がすごく独創的だなぁ、と感嘆しました。しかも、呼ばれた先(ルーナという器)には、先客が二人もいる! 二人は屈強な男性といたいけな男児。こういう取り合わせも、私のような凡庸な想像力では、思いつけないものです。 逃走用のリュックに入れる物や、それを追手の目をくらますために下船する一つ手前の港で換金することとか、細部まで手抜きがないですね。それから、逃走途中でのルーナの衣類の洗濯&物干し! これは作者さまが清潔好きなのだ、と感じました。私はずぼらなので、こうした物語を書いたとしても、洗濯のことなど思いつかなかったことでしょう💦 ルーナの髪も大切に扱われていましたね。感動しました。 リアムの旅立ちの場面には泣かされてしまいました。幼い男の子が背中を見せて独りで逝ってしまう……ううう……。 ライアン師の器量と優しさに安堵しました。 長々と書いてしまって、すみません(ご返信には及びません)。 suekoneko拝
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suekoneko様 拙作「スピリティスモ」へのコメントをありがとうございます。 小野原は流行りの異世界ファンタジーが好きなのですが、偶然、好きな商業作品のレビューで辛口意見を拝見してしまい、「自分なりのアンサーを形作ってみよう」と考えたのが本作執筆のきっかけです。エンターテイメント性よりも、異説解釈を重視して創作しました。拙作を読んだ方に、「やっぱり人気のハッピーエンドな異世界ファンタジーって素敵」と思い返していただければ嬉しいです。(書き終えた現在は、小野原もいつか流行りのジャンルに挑戦を、などと目論んでいます) 『魔女と暮らせば』は未読なのですが、パラレルワールドへの転移の解釈に「な
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