ティム・オブライエン「ニュークリア・エイジ」読了。 ”彼女の眼はこう言っていた。何もきかないでね、と。  でも僕は聞いた。僕ははっきりとしたことが知りたかった。詳しい場所、相手は誰か、どんな話をしてどんなことをしたのか? 僕はそういうことが知りたかった。いや、知りたくもなかった。でも僕は知りたかった”  この、シンプルで平易な言葉をたたみかける文体がすごくいいのですよ。翻訳・村上春樹というのが唯一不快(ハルキは好かん)な点で、「原書で使ってる単語、ぜったいこれだよね、なんでそんな訳語あてたん?」みたいなことがたびたびあったのですが、終盤気にならなくなりました。  日本でのオブライエンは、「ティム・オブライエン」とカタカナで名前を入力すると「そんな奴知らん」とAIに言われるようなレベルで語られていないのですが、まぎれもない傑作。    たぶん、場をあらためて感想文書きます。    
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