灯るような恐怖が世界観を見せている
 因習のような地域のことわり、「新雪で雪仏を作ると死者が戻る」という伝承に付属する番屋の役割を、よそ者である主人公の父親が引き受け守り続ける。陰鬱さも感じるそんなバックグラウンドがあり、そこに主人公の少年の無垢さや尊敬そして正義感が際立つ描き方になっていて、どんどん先が気になるようなストーリー展開で惹き込まれました。物凄く面白かった!  派手さは無いホラーですが、白い色彩美のようなものを感じる淡々とした文章が、灯るような恐怖を感じさせます。それが人との距離感や田舎特有の空気感を滲ませ、全体的な世界観を生み出していたと思います。気になって仕方なくなる、そんな作品でした。
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トコダ トコ様 拙作「雪仏」をお読みいただき、素敵なレビューをありがとうございます! 土地に根付いた伝承話に惹かれていて、この物語は今住んでいるあたりをイメージして創作しました。 自分もよそ者として昔から続く集落に入った経験があり、よそ者扱いはないがどこかに見えない境界線はあり、それでも最終的には包み込まれていくような感覚を経験し、それを描きたいと思いました。 ですので、田舎特有の空気感や人との距離感を読み取っていただけてとても嬉しかったです。 また、白い雪の美しさと怖さを感じとっていただけ、ストーリー展開についても褒めていただいて、これから書いていく上での励みになりました。 嬉しい
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