https://estar.jp/novels/25981869  4000☆目前です。みちのくの作家、詩人、エッセイスト、画家、書家として多彩なジャンルで活躍する澁谷沓さんに乱歩の世界である怪奇妖艶な絵を表紙に頂きました。  これは一応、研究エッセーです。  ある世代の方には懐かしいポプラ社「少年探偵 江戸川乱歩全集」には乱歩の通俗長編の児童向けリライトが収録されており、昭和、平成のロングセラーとなりました。  児童向けに改作したのは、乱歩の弟子の氷川瓏が中心ですが、ミステリーの専門誌「宝石」の元編集長の武田武彦も『黄金仮面』『人間豹』『大暗室』の三作品を執筆しています。  元々、武田が乱歩作品の児童向け改作を思いついて、児童向け雑誌に連載を始め、それにポプラ社が便乗したのです。  まず間違いないと思いますが、ポプラ社は武田武彦に多額の執筆料を支払うのが嫌になり、乱歩を後ろ盾に、武田が雑誌連載した児童向け水作『人間豹』『大暗室』を氷川瓏に再編集させて単行本化。武田には一円も支払いませんでした。武田が大御所の乱歩に逆らえないことを見こしたのでしょう。  ただしポプラ社版「少年探偵 江戸川乱歩全集」『人間豹』『大暗室』は乱歩の小説ではなく、武田武彦の児童向け改作を再編集したものですから、武田武彦を無視することは出来ない筈です。  ところが名張市立図書館が刊行した『江戸川乱歩執筆年譜』は、 「ポプラ社『大暗室』は氷川瓏が執筆した。武田武彦が執筆したというのは誤りである」 という趣旨の記述を長々と説明。 「『大暗室』を明智小五郎や怪人二十面、小林少年の活躍する『少年探偵団』シリーズに改作した氷川瓏はすごい」 と賞賛する本やブログが出現したので、誤りを正すためにエッセーを連載しました。  難しいことも書いていますが、第二部から雑誌連載された武田武彦の『大暗室』(著作権消滅)を要約して紹介しています。大変面白い作品なので、是非、幻の児童向け改作を楽しんでください。  拙速で再編集されたポプラ社の単行本は雑誌連載をダラダラ引き延ばした冗漫な作品で、それでも面白いのは武田の改作がよかったからでしょう。  X(TW)でも13日に少し長いポストをしました。  真実はひとつ。  それを無視することは許されないかと思っています。 と書かれた
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