皐月紫音

哲学性のある幻想文学
舞台はアメリカ、主人公は失業し人生に絶望して旅をする女性。 前半の一つ一つのシーンがすごくリアルでアメリカに行ったことはないが、現地の雰囲気をとても感じられる。 中盤から怪しい宗教の存在を主人公が知り、哲学的な対話が展開する。 確かにとハッとさせられる話が多く、短いながらしっかりと引き込まれるものがあった。プロと言われても疑われぬような文章力も見事だ。 あえて、一つ言うならばルビはもう少し振ってくださると有難かったが、想定している読者層では問題ないのかもしれない。

この投稿に対するコメントはありません