わびさび

読ませていただきました
 着眼点としては、非常に面白いと思います。  主人公の抱える矛盾がよく表現されています。  人付き合いが苦手な主人公は、それを正当化して、諦めてしまっている。  それか、平穏で穏やかな日を望む主人公は、現状に満足しつつも、どこか欠けてしまって、それを探している。  あるいは、その両方かもしれません。  これを経験した方は多いと思います。それを見事に言語化されています。  主人公は、カケルとの出会いを機に、日常が非日常となり、躍るような鮮やかな色彩が施される過程が良いと思います。 「RAZZ」は英語のスラングで、「からかう、嘲笑、冷笑」。  カケル、ハル、アサヒも、バンドという排他的な場所で、ヴォーカル不在をばかにされ続け、また、主人公も、この出会いを果たすまでは周りから冷笑さえされた存在、その一致は、見ていて面白かったです。  終局のライブの表現も秀逸です。雰囲気はしっかり伝わり、情景も頭に浮かびました。  そして、締めくくられる、「モーメント」、私は、「バンドと出会いから、ライブ出来るようになるまで、本当に短い時間だった」という意味で捉えました。  おそらく、三ページ目の「モーメント」と最後は、また違う意味だと思います。  総評として、普遍的でありながら、それを非常に上手く魅せた小説だと感じました。  素晴らしい物語を読ませて頂きありがとうございました。  コンテスト、がんばってください。
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返信遅くなりました。 とても素敵な感想ありがとうございます。 物語の深いところまで読み取って頂きとても嬉しいです。 私が伝えたかったことが伝わることができる、自分への自信にも繋がりました。 これから中編、長編と挑戦していきたいとおもっています。 今回、1ページ完結、掌編小説集の連載を始めました。 またよろしければ覗きにきていただければ嬉しくおもいます。お待ちしております。

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