名取 桜

何度も読み返したくなる。
 お話の隅々にゴシック・ホラーな要素が散りばめられていて、再度読み返したときに初見では気付かなかった発見が幾つかあったりと、何度も繰り返し読みたくなる魅力あふれる作品でした。  主人公・航は達観した性格なのかと思いきや、ヒロインのメアリーに対してはありのままの自分で接する様子が活き活きと描かれていて、お話自体は現代のゴシック・ホラーなのですが、ちょっとした青春を感じました。航とメアリーの会話は本当に心が温まります。  それから、メアリーの戦う姿には胸を打たれました。彼女は、その数奇な運命に翻弄されながらも自分の生きる道を選んだ、強くて可憐な女の子だということが最後の決断を通して伝わってきました。    いつの日か、二人がこの地球の何処かで再会することを願っています。
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名取桜様 この度は「紅の薔薇」を完読いただき、有難うございます。 今思うとこの作品は、当時の社会不安、ままならぬ人生に対する私の心境が強く反映された作品だったのだと思います。 何もかも運命に委ね流されてしまえば、ある意味では楽になれるのかもしれません。でもそれでは人として大事なものを失くしてしまいますよね。やはり立ち向かう勇気は持っていたいものです、メアリーや航のように。 名取様はそういう意図を的確に感じ取ってくださったみたいで、作者としてこんなに嬉しいことはないです。 これからじめじめした梅雨や暑い夏が来ますが、どうぞご自愛ください。有難うございました。
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