みぐ

先の見えない恐怖を味わえる絶品。無料サイトで公開するのが勿体ない
ホラー作品を手に取って読む理由って色々あると思います。恐怖やスリルを感じてみたい、日常生活で経験できない異常な体験をしてみたい。でも多くのホラーで描かれる恐怖や異常な体験は幽霊が出たり人が死んだりっていう、ありきたりの作品が多いのも事実です。でもこの作品の恐怖はそんな単純なものではありません。作者により綿密に計算されたストーリーが、読者をこの物語の世界に深く引きずり込み、想像も出来ない展開が、読者を恐怖の渦に巻き込んでいくのです。 この作品は、主人公の茜音が同僚の裏原の送別会に参加する日から始まります。裏原は茜音が昔ミチルと呼ばれていた事を知っていて、その事に茜音は恐怖します。実は裏原のその言葉が全ての始まりでした。送別会の夜、青い満月が煌々と輝いていたのを見た茜音は記憶を失ってしまいます。その後、茜音の周りでは、次々と不可解な事件が発生していきます。そして茜音自身にもその魔の手が迫ってきます。全ての謎の中心にはいつもミチルが居ることに気付いた茜音。彼女はその謎を解いて、ミチルの魔の手から逃れることが出来るのでしょうか? それとも……?  この作品は読者を先の見えない恐怖に誘いこむ為の綿密な設計がされています。作品のカテゴリーがホラーというよりミステリーと思えるほど、読者が物語の先行きを全く想像できない展開が続いていくのです。作者によってばら撒かれた多くの伏線が更に謎を深めていき、その謎がまた読者の恐怖心を高めていきます。物語の中盤以降の展開では主人公の不安や恐怖が次第に増幅していく過程がとてもリアルで、更に読者は物語に深く引き込まれていきます。そして全ての伏線を回収しながら迎えた終盤のミチルとの対決は、この物語の恐怖が最高潮に達する手に汗を握るシーンとなっています。この恐怖・それに裏付けされた作品の面白さは、作者の綿密な設計を行う構成力、読者をこの世界へ引きずり込んでいく描写力、そして高い総合的な筆力により生み出されています。そして読者はこの作品にすっかり心酔し、ページを捲る手を止めることが出来なくなるのです。 こんな凄い作品を描いて頂きありがとうございます。この作品に出会えたことに本当に幸福を感じています。無料サイトで公開するのは勿体ないほどの素晴らしい作品です。 みぐ🐧
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みぐさん 素敵な、いや凄い長文のレビューをありがとうございます。 一作位は絶品を書いてみたい。 そんな生意気な気持ちがあったから書けたのだと今は思います。 確かにもう二度と書けないと言う気持ちを込めて書いていました。 (家庭内の事と重なり、書く事は出来なくなるなら) 私が涙を溢しながら書いた作品です。  みぐさんの読む力は私は知ってます。 凄いです。 全頁読んでレビューを書くのは中々出来ない事。 それら全てに於いて、真似の出来ない素晴らしい解析力の持ち主であるって断言します。 本当にありがとうございます。 作品よりレビューの方が素晴らしいですね。 また、次回作が、あるかな? とにかく感謝
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