若島まつ

〖最終話更新のお知らせとご挨拶〗高嶺のスミレはオケアノスのたなごころ 【最終話】 https://estar.jp/novels/26131642/viewer?page=78 【小説TOP】 https://estar.jp/novels/26131642 連載を始めてから一年あまり、物語にお付き合いくださった皆様、誠にありがとうございました。 物語は77話にて終幕を迎えますが、イオネとアルヴィーゼの人生はこの先も永く続いてゆきます。 処女作『スミレとオケアノス』の初稿から10年を迎えた昨年7月、10年目の大改修としてリブート連載を始めました。 予想よりも大がかりな改修となり、時間も長くかかりましたが、物語の始まりと同じ日に終幕を迎えられたので著者の心も麗らかというものです。 改めて彼らと向き合うことができてとても幸せでした。 特にアルヴィーゼの変態には磨きがかかったと思います。 イオネの人生観についても、少し深掘りできたかなと思います。 誰かの娘であること、研究者であること、誰かの恋人や妻であること、誰でもない自分自身であること。 女性が抑圧されがちな社会の中で、イオネがどんな自分も卑下せず肯定する強い意志を持った女性であることを強調して描きたかったのです。 そういう女だから、アルヴィーゼみたいな自己愛が強くて利己的な男が惚れ込んでしまうわけです。 絶対こっち向かせてやるという負けたくない気持ちと、一種の崇拝があるんでしょうね。 一方でイオネは、もともと恋愛に溺れる質の精神構造はできていません。いつだって自分自身に意識を向けていたからです。 乱されることで怒り、悦びを与えられて戸惑い、裏切られたと感じて悲しみ、徐々に未知の感情を知ることで、情緒が花開いてゆくのです。 最終的にはまんまとアルヴィーゼへの愛を知り、受け入れることになりますが、これはアルヴィーゼが歪で重すぎる愛をぶつけ続けた効果があったということです。おめでとうアルヴィーゼ。 ご挨拶と言うには冗長になってしまいましたが、ここまでお付き合いくださった皆様、改めて本当にありがとうございました。 心より御礼申し上げます。 皆様の心に素敵な物語が紡がれますように。 令和6年8月31日 若島まつ拝
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