石亀じだん

昭和の頑固おやじの生きざまと・・・
レビュー失礼します。 一本の電話を受け、東京からどこかの地方都市だろうか小さな駅に降り立つ主人公。 少しさびれた駅前は、どうやら主人公が育った町に似ていたのだろうか。 次ページからは、一転して主人公の子供時代の思い出に変わる。 淡々と語られるそこには、なんとも堅物な警察官だった父が見事に描かれていた。 無口で、根がまっすぐな、警察官に知り合いはいないが、警察官とはこういう人なんだろうなと、ひしひしと伝わってくる。そんな描写のすばらしさに驚く。 警察官だって出世したいだろうが、どうやら実直とはそういうこととは距離を置くようだ。 家族サービスとか奥さん孝行なんてことはなかったのだろう、この時代。 それが当たり前だったのか、一度しかなかった海水浴、おかずを一品多くする妻など、そのことだけで昭和という時代を感じさせてくれる。いつ頃なのか、なんともノスタルジックな昭和が横たわっていた。 上司に付け届けもしない、パ・チ・ン・コも15分だけという、なんとも不器用な男がいた。それが警察を辞めることになり、しいてはそれで離婚。 悲しいことばかりだが、母親に孫の顔を見せてあげられたこと、そして同じ道を歩む主人公とその家族の優しさに救いを感じる。 ラストは、悲しいことばかりだった物語に見事な晴れ間を見せてくれました。 特に、父親が主人公に繋がるものを所持していたくだりは、まさに親の愛情を見せつけてくれました。 とても深みのある物語。これを4000字で描き切る作者に驚くとともに感服いたします。
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石亀じだん様 この度は拙作をお読みいただき、レビューをありがとうございます!作者冥利に尽きる嬉しいレビュー、何度も読み返しました。 この物語の基本の部分は、昔、父に聞いた思い出話がもととなっています。そこに離婚、孤独死といったエピソードを加えていき、自然とこのようなラストが生まれました。 昭和の雰囲気、出せていたでしょうか? 当時のパ・チ・ン・コのことは調べましたがわからない点もあり、そんなに簡単にお菓子と交換できるものなのかわかりませんが、皆さんのペコメを読むと家具や車も手に入ったということですから、これもありかと思っています。 もっと父と息子、夫と妻のエピソードを加えて、字数を80
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こんばんは ご丁寧にもご返信いただき恐縮です。ありがとうございます。 そうですか、基本の部分はご自身のご経験、思い出ですか、真実味が伝わってきました。 あの時代は、あのようなタイプの男が、父親がかっこよかったのでしょうね。 とても素敵で重厚なお話でした。 またほかの作品にも寄せていただきます。 パ・チ・ン・コと言えば、そうですね、タバコが多かったですかね。 車は聞いたことないですが、お米はありましたね。 お子さんや奥さんにチョコレートというのもありましたね。 でもいつも負けてばかりで、何も交換できなかった方が多かったと記憶します。
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