灰黒猫

魔法だけでなく神々や人間の感情の描かれ方に引き込まれます。
魔法の描写も面白いのですが、それだけではありませんでした。 物語の序盤から戦い続けるフレイヤの姿や、「神としては殿方がひれ伏す様こそ見たい」「そうすることで強い女神であると実感できるのだ」との言葉に、他者を圧倒し続けることを望むのかと思っていたのですが、 人間のケネスとその想い人のなれそめや子どものことを「時間があれば聞きたかった」と思う姿や、去っていくケネスに向かって「お幸せに」と告げたり、ケネスたちの子どもが無事に産まれ育つことを願ったりと、フレイヤの思いがけない一面が見られて、よかったです。 戦闘や魅了だけではないフレイヤの魅力が、後半に向かうにつれて増していきます。 数ある魔法(召喚)の中で、巨木になり黄色の花を咲かせるウィッチヘーゼルが好きです。月明かりとの対比が素敵です。琥珀との関係も良いです。 フレイヤとケネス、フレイヤとウィッチヘーゼルが描かれる、44-47ページ「黄金の蜘蛛」の描写が好きです。 「フレイヤ編 上」の部が途中で終わり、続きがとても気になるところで前日譚に入っていくのですが、こちらも気になります。 フレイヤの娘、フノスとゲルセミの物語です。 こちらの姉妹の関係は、読んでいてヒリヒリします。 妹のゲルセミが現れるまでは、他の神々から「最年少の神」としてかわいがられていたフノスの、ゲルセミに対する複雑な感情が、読んでいてとてもハラハラします。 まだ62ページ目までしか読み終えていないのですが、ページコメントがうまく送れませんでしたので、物語の途中ではありますが、感想を送らせていただきました。 読むのがゆっくりペースのときもありますが、続きを楽しみにしています。
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