童子

万物に質量を与えている素粒子・ビックス粒子 標準理論を構成する素粒子――その数16種類。 そして新たに、17番目の素粒子が発見された。 フランスにある世界最大の加速器LHCでの実験でのもと、全ての入れ物となる新たなカテゴリーの素粒子として発見されたものである。 物質を構成する【クォーク】と【レプトン】、力を伝える【ゲージ粒子】、そして質量の起源【ビックス粒子】(と思われる粒子)。 ――と思われる粒子、と記載するのは今だその全てを解剖出来ていないが為。 【クォーク】 アップ、ダウン。 チャーム、ストレンジ。 トップ、ボトム。 の計6個。 【レプトン】 電子、電子ニュートリノ ミュー粒子、ミュー・ニュートリノ タウ粒子、タウ・ニュートリノ の計6個。 【ゲージ粒子】 光子、W粒子、Z粒子、グルーオン 計4個となる。 さて、今回のビックス粒子の発見が何をもたらすか。 まず根本的な話をすれば、素粒子には質量が無いとされる。 素粒子間の基本的な力が<ゲージ原理>という特別な法則にしたがっており、このゲージ粒子は質量を持たない。 そもそも素粒子には質量が無い――とする<ゲージ原理>は量子力学と特殊相対性理論に立脚している。 だが、現実としての計測の結果、素粒子には質量があるのが確認されていた。 物理学で言うところの<ラプラスの悪魔>―― 熱力学の<マクスウェルの悪魔>―― とでも言うように、素粒子学の、ましてや量子力学の悪魔とでも云うべきパラドックスが解明された―― つまりそれが、万物に質量を与えている素粒子・ビックス粒子である。 この解明は、宇宙の起源から発生――超高熱の宇宙空間からビッグバンが起こるまでの相転移の状態を説明する事が可能となる。 例えばの話をさせてもらおう。 粒子が運動を行う際、質量が存在しないとはどういう結果となるか。 それは原子の崩壊、物質の崩壊を意味する。 つまり、質量の無き粒子はその運動エネルギーを消費することが不可能であり、停止する事が出来ない。 原子――原子核の周囲を飛び回る電子――この電子は止まる事は不可能であり、また原子核、中性子に至るまでバラバラになる筈だ。 ビックス粒子の発見は、真空状態と呼べる何もない空間の意味すら変える、目覚ましい発見なのである。
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悪魔の矛盾までもパラダイム・シフトするような時代になってきましたか 人類はどこまで研究を続けるのだろう

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