キャプコン

まぁ理由や原因はさておき戦闘に入った愚地と群崎ですが、最初は群崎の足取りの軽さ(早さ)と遠距離射撃で愚地は圧倒されていました。愚地には遠距離に攻撃する手段が不足していたからです。町中での遮蔽物を利用しながら群崎は遂に愚地の知覚の外へ脱出、一方的な狙撃に愚地は苦しめられます。しかし狙撃ポイントを背の高い廃ビルに移した時でした、優位な状況から来る油断からか不覚にも群崎は愚地を見失ってしまいます。ほんの少しの間遮蔽物の影に隠れた巨体が群崎の目をもってしても見つけられない‥‥そんな時ふと愚地の臭いが"下"から漂って来ます、酷い臭いと一緒に。下水道です、愚地は遮蔽物の影に有ったマンホールから下水道を通って群崎の居る廃ビル近くのマンホールに移動してきたのです。そしてその手には車が携えられていました、マンホールのすぐ近くに有った車です。そして愚地はその車を、群崎に向かって、投げた。ブラフだったのです、愚地はこの一瞬の油断を誘う為にわざと今の今まで不利を装っていたのです。車を避ける為に反射的に廃ビルの中へと避難した群崎は強い衝撃を感じます、まるで重機でこの廃ビルを破壊しているような‥‥‥。その予感は的中していました、愚地が廃ビルの支柱を次々と破壊して自分諸とも群崎を廃ビルで押し潰そうとしていたのです。群崎は焦りました、あまりに破天荒な戦法、他人への迷惑や立場を全く考えない戦術に群崎は動揺せざるを得なませんでした、支柱を破壊し続ける愚地を止めようと廃ビル内で接近戦を繰り広げた群崎ですが、見た目とは裏腹に巧妙な位置取りで支柱を破壊しながら戦う愚地、そして遂に廃ビルは轟音をたてて倒壊します。群崎は何とか倒壊に巻き込まれず廃ビルを脱出します、そして自身の"鼻"が正しければ愚地は廃ビルの瓦礫に埋まっている。「これはチャンスなのでは?」と群崎は一瞬考えます。が、愚地のあの目が群崎の脳裏を過ります、完全に私の虚を突いたあの愚地の目が‥‥‥。数秒間ほど思考した群崎は「撤退する」という選択をしました。工作員という立場が有る以上、これ以上派手な事をしでかす訳にはいかない‥‥愚地という男は危険だが、今はこれ以上戦闘を続行すべきではない‥‥そんな事を考えながら。或いは‥‥‥‥単純に愚地の事が怖かったのかもしれない‥‥‥‥。この事は色々な意味で群崎の記憶に残る事になったそうです。(終わり)

この投稿に対するコメントはありません