藤村 最

 作品向上委員会より参りました。  設定はありがちながら、そう感じさせない書き口、キャラの個性が目立ち、恋愛物とは感じさせない読み易い作品だと思います。  また昨今のラノベの傾向とも些か路線が違い、突飛さがあまりなく同じ高さの目線で読める辺りが作品の魅力と感じました。  掛け合いも軽快で、語録が多く、飽きさせない工夫がなされているように思います。  少し気になったのは句読点が少なく、視点の移り変わりが激しい為、目で追うテンポに合わず、理解が及ぶ前に進んでしまうように思います。  また、展開自体は遅く、1シーンが長いので、密度の割に話が薄いように感じます。ラブコメなのでそれもありなのですが、この先も同じようなエピソードが心情変化無く平坦に進むのではないかと思うと刺激が欲しくなります。  類稀な表現力と豊富な語録をお持ちのようなので、少し会話や心情、描写に緩急をつけてみては如何でしょうか。  書きたいフレーズを全て盛り込むのではなく、会話なら会話に、描写なら描写に一頁を割く事も有りではないかと思います。  それから、音読を含めた読み返しを行ってみると、より良質なものになるのではないかと思います。  これは余談なんですが、読み始めた時、文章の雰囲気や言い回しに古風な印象を感じました。  高校生という設定でしたが、昭和の書生か何かかと錯覚しました。  高校生を描くのであれば少しリサーチ不足なのかな、とも思いましたが、個人的にはそうではなくてのて様には少し昔設定のほうが文章の書き方に合っているように思います。  歴史物、明治初期や昭和後期辺りの設定のものを書かれると秀逸な作品が出来るのではないかと思います。  執筆、心より応援しております。
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