「失敗―――、失敗か、俺の人生というのもまるで失敗続きでね―――、なにから話せばいいのだろうか・・・・・・、そうだな、やはり最初は俺の住んでいた街が吹っ飛んだところから話すべきか―――」 「・・・・・・、いや、だから話は面倒だから聞かないって言ってるだろ」 なんだこいつ、あれか、話していないと呼吸ができなくなる持病にでもかかっているのか。人と話すのがあまり得意じゃない僕には鬼門のような男だ 果てしなく面倒くさい 「まあ待て少年、人の話というのは聞いておいて損はないぞ? 特に俺のような人間の体験談というのは、そこらへんに転がっているものより珍しさが違うというものだ―――」 「遠
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「待てと言っているだろう―――、はっ! ひょっとして俺の声が聞こえていないのか・・・・・・! ・・・・・・、い、いいや・・・・・・、まさか、そんなことはありえない―――、だがしかし―――! ・・・・・・、あ、あの少年、俺の話を聞きたくないばかりに、自分の鼓膜を破壊したというのか―――! な、なんという男気だ・・・・・・!」 勝手に曲解しているようだが、まあどうでもいいので放っておこう。僕に損害はない。というか、普通に無視されているということは考え付かないのだろうか どこまで遠のけただろうか、そう思い、ちらっと後ろを振り返ってみると――― 「―――、ほっ」 ・・・・・・、バナナの
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「・・・・・・、う、ぐぁ―――」 なん、だこれ・・・・・・、知っているぞこれ。死んだときと同じ感覚だ―――、え? 死んだ? 僕、バナナの皮で滑って死んだ? え? え? 「―――、耳が聞こえないというのは人生において重大なハンデだろう―――、俺はそう思う―――、俺の所為で尊き少年の、その重大な聴覚が失われてしまったというのは、まことに残念なことだ―――! だから、せめてもの償いとして、これから来るであろう絶望的な未来を断ち切ってやろう―――! せめて、俺が介錯してやる―――、安らかに眠れ、さっきは途中で切れてしまったが、墓の前で俺の仲間の話の続きをしてやるからな・・・・・・! 安心し
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