例3 「天国と地獄、どちらに行きますか?」少女が笑った。 その笑顔は不気味でユウタに恐怖を与えた。しかし、ユウタは冷静なふりをした。なんせ、少女の周りには紫色の玉が4つ光っている。そんなことは現実的にはありえない。 現実でないとすれば夢のなかにちがいない。落ち着けばなにも恐れる必要がないことを直ちに理解できるだろう。多分。 ユウタはため息をついた。「どうせ、これ夢なんだろ?」 「いいえ、これは現実」 「ウソつくなよ」 「これは現実」少女の目はゴミを見るようだった。いや、ゴミというよりなにも見ていない、その先にある対象に無関心のようだ。 ユウタはそのような表情で見られたことがなか

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