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 初めまして、Mikanさん。 Mikanさんのエッセイを見ていて疑問に思ったことがあったので、三つほど質問をさせて下さい。  一つは、段落の分け方について。 これはずっと悩んでいたことなのですが、段落を分ける際には作法のようなものが存在しているのでしょうか。 もしもそんなものがあるのだとしたら、教えて欲しいです。  二つ目は、単純な疑問です。 ソード・アート・オンライン、という作品はご存知でしょうか。 SAOという略称でも呼ばれていたりしますが。  あの作品は、世界観の説明を長々と数十ページほども続けていたりします。 プロとして作家をやっている人ならば、それがあまりよろしくないことであると知っているはずです。 それなのにただの説明を書き連ねてしまっているのには、何か理由があるのでしょうか。  最後に、地の文について。 やはり俺の青春ラブコメは間違っている、という作品があります。 その作品の読者のコメントをネット上で見ていると、地の文が面白い、みたいなことが書いてありました。 つまり、地の文でも読者を惹き付けている訳です。 それはこの作品が特別なだけなのでしょうか。  地の文よりも会話文を重視した方が良い、といったようなことをMikanさんは仰られていたと思います。 自分も同意見なのですがその上で聞かせて下さい。 地の文でも、読者に面白いと感じて貰えるものとそうでないものがあるとしたら、その境界線は何なのでしょうか。  以上が、三つの質問です。  不躾ではありますが、どうしても気になってしまったもので。 もしお暇があれば、返信を下さると嬉しいです。
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境さん、こんばんは。 ・段落の使い方 実は、段落には正確な使い方があります(それを守れている日本人自体が少ないため、あまり気にしなくてもOKです。ただ、段落を正確に使いこなせれば特別感を演出できます)。 まず、小説の文章は『行動』、『描写』、『説明』の3つに別れることを理解してください。 1.行動……会話文、動きなど人物に綿密に関わる文章 2.描写……背景、周りの雰囲気など人物と少し遠い文章 3.説明……設定、情報など読者のために書かれた文章 私の提案する『会話文から書けばOK』というのは正確には『行動文章から書けばOK』という意味です。 さて、段落はどのような規則で作られるの
例3 「天国と地獄、どちらに行きますか?」少女が笑った。 その笑顔は不気味でユウタに恐怖を与えた。しかし、ユウタは冷静なふりをした。なんせ、少女の周りには紫色の玉が4つ光っている。そんなことは現実的にはありえない。 現実でないとすれば夢のなかにちがいない。落ち着けばなにも恐れる必要がないことを直ちに理解できるだろう。多分。 ユウタはため息をついた。「どうせ、これ夢なんだろ?」 「いいえ、これは現実」 「ウソつくなよ」 「これは現実」少女の目はゴミを見るようだった。いや、ゴミというよりなにも見ていない、その先にある対象に無関心のようだ。 ユウタはそのような表情で見られたことがなか
・長い説明文について プロが長い説明文を書くときの心境(とか環境)について、いくつかパターンがあります。 1.その作品でデビューした 2.売れているプロだから 3.時間がなかった 4.小説が後売り(ファンブックの扱い) 5.ネット小説の場合、説明文を読み飛ばす(ネットだと序章的な部分を読み飛ばすのが楽で、誰も読んでいない) 5はそのままの意味なので、ここでは1から4について説明します。 1.その作品でデビューした 技術的には未熟で長い説明文章を書いてしまった。ただ、デビューできた。いまさら説明文章を削除すると意味がわからなくなるので説明文章をつけまま作品を販売。
作家はともかくとして、出版社にとって小説は商品です。商品は売れるもの=正義です。 もしも大した宣伝もせず、本のチカラだけで売るのであれば、出版社も面白い本を作ろうとダメ出しが増えます。しかし本のチカラで売る必要がない場合には、本に対するダメ出しは少なくなります。 アニメやゲームのノベライズは作家の印税が少ないかわり(3%前後だけど)、そのぶん本自体の質が低くても良いので作家も気楽に書けます。 しかも出版社も小説をオマケ程度に考えているのであまり売れなくても怒られませんからね。ガチで本だけで勝負するのなら売れないとマズいです。 ちなみに印税が高くて気楽なのはダイエット本やレシピ本を書
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 丁寧な返信、ありがとうございます。  つまり、自分なりに解釈して例を挙げると、 ‐例‐  「ハルカのやつ、また何もないところで転んでやがる」  ハヤトが遠くを見ながら呆れたようにため息を吐く。 視線を追うと、ハルカが何もないコンクリートの地面の上で膝を抱えていた。 幼い頃からハルカには鈍くさいところがあり、それは高校生になった今でも直っていないみたいだ。  「ちっ、しょうがねぇな」  ハヤトは面倒くさそうに舌打ちをしてから、ハルカの側まで歩いていく。 表面上は苛立っているかのように取り繕ってはいるが、内心ではハルカのことを心配しているのだろう。 そ
・面白い地の文について 面白いの定義を『気楽に読める』とした場合、1つの答えがでます。それは『イメージと暗記が不要な文章』です。 描写文章はイメージをする手間がかかるので、体力を消費します。読書に慣れた人ならば描写を楽しめますが、ほとんどの人は描写=つまらないと考えています。 また、説明文章は情報を読者に提供します。それはつまり、読者が小説内容を記憶する必要が出てくるということです。頭を使うので読むのが面倒ですよね。 というわけで行動文章こそが面白い文章の定義に当てはまります。だから会話文や行動文章は気楽に読めるのです(例1)。そして、行動文章を地の文に適用すれば原理的には面白い
・描写文章と説明文章について 描写文章はイメージが必要、説明文章は記憶が必要。というわけで読者に嫌われます。しかし、行動文章だけだと小説の背景や設定がまったく伝わってきません。 そこで大切なことは『時間を稼ぎたいタイミングで描写や説明をする』という技法があります。 境さんの言うとおり、自分の主張したいことを前に出せば良いのですが、それをより理論的に整理すれば『時間稼ぎに使う』とバランスもよくなります。 たとえば先ほどの私の書いたシーン(ハルカがハルトをカマでヤるシーン)の場合、時間稼ぎをしたい場面がいくつかあります。そこに描写や説明をいれることで、小説の雰囲気も出せるし伝えたいこと
今回言ったことで大切なポイントをまとめると。 ・文章は行動文章、描写文章、説明文章にわけられる ・行動文章は会話文や行動など、人物に関する文章で気楽に読める ・描写文章はイメージ、説明文章は情報を読者に与えるため時間稼ぎに使う ・行動文章から書いて、時間稼ぎをしたい部分に描写文章と説明文章を大量に使うとバランスが良くなる ・プロのマネをしてもダメな場合が多い ・基本を大切に こんな感じです。また何かあれば言ってください。 では、境さん、頑張ってくださいね♪
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 わざわざ自分のためにここまで時間を割いて下さって本当にありがとうございました。 中身の濃い話が多くて勉強になります。 数々の大切なアドバイス、物語を書く際の参考にさせて頂きますね。

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