Ryo
◇◇ 父の苦悩 ◇◇
「コレって、クリスマス料理…？」
鶏のささみを焙る横で娘は呆れていた。
「仕方あるまい。お前の母親は脂っこい物が苦手なのだ。」
「だからって“とりわさ”は どうなの？」
「アッサリしてるではないか。」
「アッサリし過ぎでしょ。他にコッテリ系があるならまだしも…」
呆れた視線が注がれた先には、既に出来上がった料理の数々。
百合根の梅和え、海老の塩焼き、刺身……あとは、ゴーヤチャンプルー。
ゴーヤチャンプルーに関しては、時尾が最近 沖縄料理にハマっている所為なのだが…
「コレって、母様の好みよね。」
「時尾が食すのだ。時尾の好
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