恥ずかしい桃の節句。 記憶はないけど、見事に一枚の写真が事実を語ってる。 「俺には教えてくれないってのか?知りたいって言ってもか?」 「だめ、だって恥ずかしいし…」 「そう言われると知りたくなるだろう。何を隠してる?」 「たいした、ことじゃなくて」 奏さんの瞳に堪えられなくなる。 だって、記憶はちょっとだけ。 「隠し事できると思ってるならそれは間違いだって教えてやる」 「あ、だめ…っ」 壁に追い込まれ奏さんに手首をとらえられて噛みつくような口づけが。 襟の袷めから手が、裾から膝が割り込んでくる。 耳に名を呼ぶ声、 痺れるように囁かれる声、 好きだから抗えなくな

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