「義昭sideSS」を送付します。読後は削除もしくは別にて保管後削除下さい。  類を見送り終え、美羽が戻ってくる足音を確認し、義昭は慌ててダイニングテーブルへと戻った。ふたりきりという空間にこんなに緊張を感じるなど、久しぶりの感覚だ。かつて美羽を通して類を見ていたあの頃の気持ちを思い出す。  先ほど玄関で美羽と類が交わしていた会話が、未だに耳にこびりついている。 『クスッ、そんな寂しそうな顔しないでよ』 『ねぇ……『行かないで、私の傍にいて』って言ってくれたら、行くの取りやめるけど?』  まるで恋人同士のようなやり取りに、胸がカーッと熱くなった。  扉が開き、気落ちした様子の美羽

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