(…更に続き) 「そうか、誕生日なのか…」 坂巻は、重ねてそう言った。 声音が酷く優しい。 「お前が自分の誕生日をあんまり祝う気がなくても、な……少なくとも俺には、お前が生まれた日を、祝う権利がある」 何故なら。 お前を、愛しているからだ。 「お前が生まれてきてくれて、嬉しい、雪晴」 髪を撫でていた坂巻の手が止まった。 その手は、永瀬の顎を掴む。 ぐい、と顎を上げられて、永瀬は少し抵抗した。 坂巻の言葉に、どうしてか涙が溢れてきたから、そんな顔を見られたくなかったのだ。 だけど坂巻は、彼に俯くことを許さない。 その溢れた涙をペロリと舌で舐め取って、強く繰り返した。 「お前は俺に愛されるた
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