だからこの自己啓発の代償も恋愛小説として読み進めるつもりでいたのだが、すぐにその様相が変わってきた。 「これって、ホラー?」 僕はお湯を注いでいる彼女の背中に訊く。 「そうだよ。 サークルのイベントらしくって、ジャンルとかタグ?っていうやつとかが決められているんだって」 「そうなんだ」 岡田朔といえばホラーの名手でもある。 これは期待できそうだと思いページを進めるとシーンが変わった。今度は道永の視点で物語は進んでいくらしい。 だがそこで僕は殴られたような衝撃を受けた。 CTB M なぜここにその言葉が出てくるのか。 道永が杏に指南するCTBについての知識もまがい物で
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これは上手い手だ。 これなら大きなエネルギーも得られるし、まさにお手本にしたいぐらいの手際だ。 「はい、どうぞ」 言葉とともに僕の前にカップ麺が置かれた。 「あ、ああ、ありがとう」 「どうしたの、怖い顔して。 岡田さんの小説、そんなに怖かった?」 「うん、そうだね。とっても怖かった」 「突拍子もない話なのにリアリティがあって、突き落とされるような怖さなのに、なんだか生々しいのよね」 「小説におけるリアリティというのは、いかにもあり得そうな事を書くんじゃなくて、たとえ荒唐無稽でもそれが実際に目の前で起こっていると読者に感じさせる技術のことだからね。 その点、岡田さんはすごいよ」
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前に朔さんがよくやってくれていた真似っ子レビューを真似っ子してみました。 執筆お疲れ様でした。 あのタグたちを回収して、この物語を創りあげた手腕に脱帽です。 面白怖い作品をありがとうございました。

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