親子でこんな会話やってるんだから… (前略) 「お母さん、お言葉ですけど」  グレイスは一七、八の年ごろ娘らしく、生意気な口を利く。 「特異点は体積ゼロで静止質量エネルギー密度無限大の点と相対論的には看做せるけど、符号反転した場合、エキゾチック物質と同質に扱えるのよ」 「えっ? じゃあ、体積無限大の点で静止質量エネルギー密度無限小の……って、それ早い話が、真空じゃない?」 「いい線行ってる。宇宙は四次元時空連続体だから虚数の時間軸も考慮しないと。つまり、別宇宙のどこか任意の一点。異世界ということになる。ニコデム・ポプラウスキーの回転ブラックホールモデルを解けば、(以下略)
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