蘇芳さま このたびはお読み下さいまして本当にありがとうございます。 そのうえ、こんなに真摯なご感想を頂けましたこと、感謝に堪えません。 今作は、最近、第二次世界大戦の東欧における、とあるホロコースト小説を読んだことが契機になっています。なので、ドラマチックなファンタジー世界のものがたりではありますが、わたしの中では、突飛で現実離れした物語を書いたつもりは全くなく、むしろ、人間の歴史においてこういった事例は「あるある」なのでは、と考えながら綴りました。 同時に移ろいゆく歴史のなかで揺れ動く、人間の激情を描き出したかったのですが、蘇芳さまの「炭火」の喩えが、まさにそれです。その喩えを目にした
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