その後、私はまるで中出君の子分のように懐いて彼と一緒にいた。クラスで一番力が強く乱暴者だった私は、まるで借りて来た猫のようにおとなしくなる。  すると周りも変わった。いや、私に対する周りの子の対応が変わったというのが正しい。  私もそれから人に対する思いやりというのを覚え、できる限り周りに優しく接するようになると、周りも私に優しくなったのだ。人に優しくすると自分も優しくしてもらえる。それを教えてくれた中出君には今でも感謝している。  そんな中出君は翌年、親の都合で転校してしまったが、今でもあの時の彼の言葉を忘れない。  それがあったから、今の自分がいるのだと思う。  そこで私はもう一度考え直

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