いちばんさん

「ちゃんと自分の力でいちばんになったんだよ。誰がなんと言おうと本物のいちばんだ」妄想コンテスト『月明かりの下で』応募作。

石塚環

6分 (3,304文字)
「いちばんは、その前に誰もいないから、たまたまのいちばん。自慢することじゃないってね。でも、いちばんさん。あなたは……」

2 19

あらすじ

「うちは、いちばん早く来たお客さんは、いちばんさんとお呼びします」 札幌狸小路商店街にあるおでん屋『すみれ』の決まりごとだ。 満月の夜。『すみれ』に、ひとりの男がやってくる。その男が今夜のいちばんさん