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ブルー
「大人しくしていれば、危害は加えない」
ブルーは笑いを噛み殺し、無表情を貫いていた。
銀行内を見渡す。
レッドは、カウンターの上でいい気になっている。頭の弱い奴だ。
イエローはオドオドしながら、客を一か所に集めるだけの事に手こずっている。どんくさい奴だ。
2人とも残り少ない命を俺とピンクのために使え。あとで、楽に死なせてやる。
ここまでは計画通り。
俺は何事もスタイリッシュに行いたい。
慌てる、騒ぐ、狼狽える。そんな愚かな姿は晒したくはない。
普段からスーツを着こなし、汗一つかかない。
普通の生活に飽きていた俺は、犯罪もスタイリッシュに出来ないものか考えていた。
そんな時、ピンクに声をかけられた。
「ねぇ、あなた。アタシと銀行強盗やってみない?」
振り向いて見れば、とんでもない美人がそこにいた。
スタイリッシュを自負している俺が生まれて初めて狼狽えた。
それから、アジトでレッドとイエローを紹介された。
見るからにパッとしない仲間だと思ったが、
「2人で逃げよぉ」
俺だけにピンクが言った言葉を聞いて、ああ、こいつらは捨て駒か、と納得した。
この計画は、失敗するわけにはいかない。
計画は綿密に立てた。
調べてみて分かったことだが、この銀行の支店長は絵に描いたような理想の家庭を築いていながら、ギャンブルの借金があり、売春婦を買っているような低俗な奴だった。
バラすぞ、と脅して、分け前で借金を返済できると持ち掛けたら簡単に買収できた。
出所不明の銃の手配。逃走車の手配。乗り換え用の逃走車の準備。警察へのタレコミ。
全て、順調だ。
計画ではこの後、レッドとイエローが現金の入ったバッグと銃を手に、入り口から外に出る。
外には、俺が手配しておいた警察が姿を隠して待ち構えている。
俺は口実を作って残り、2人を先に行かせ、裏口から逃げる。
裏口から出た所で、俺が1発、銃を撃てば、入り口側の2人が発砲したと思われて、その場で2人は射殺される。
俺は覆面さえ外してしまえば、普通のサラリーマンと変わらない。
さっき、支店長と入った金庫室で、キャリーバッグに現金を入れておいた。
傍から見れば、出張中だと思われるだろう。
そのために、スーツ姿で強盗に入った。
返り血を浴びたくなかったから、俺は人質を殺すつもりはなかった。
「忘れ物をしたから先に行っててくれ」
と、レッドとイエローを先に行かせることに成功した。
裏口ドアの前で覆面を外し、ドアを開けて外に出る。
裏通りに人影が無いのを確認してから空に向けて銃を撃つ。
入り口側から2人の悲鳴と沢山の銃声が聞こえてきたのを確認しながら、ピンクの待つ車に向かった。
ピンクのページへ。
https://estar.jp/novels/25634502/viewer?page=7
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