死神×少女(桜咲かなさん)

1/1

68人が本棚に入れています
本棚に追加
/74ページ

死神×少女(桜咲かなさん)

さてさて、今回もお送りするのはプリン奉行です。 デザートはプリンよりもアイスをよく食べてますが気にしないで下さい。 ここからが本題。 世の中には、"二刀流作家"と呼ばれる物書きさんが一定数おられます。個人的にそう呼んでいるだけですが、二刀流作家と言うのは、小説を書く傍らでイラストを描かれている方と思っていただければ幸いです。 人数的には多いか少ないかで言えば少ない方(食べ歩きでも2人ぐらい紹介させて頂きましたが)ですね。…それでは今回は希少な二刀流作家さんの作品をご紹介です。 死神×少女 作者:桜咲かなさん 完結してます(続編あり) 概要: マンションで1人暮らしをしている16歳の女子高生、春野亜矢。 ある日、彼女の隣に"死神グリア"と名乗る少年が引っ越してきたその直後に事故に遭ってしまい命を落とすものの、彼の力により"仮の心臓"を与えられ生還する。 しかし、亜矢に与えられた仮の心臓には制約があり、1日に1回グリアから"命の力"を吹き込まれなければ生きていく事ができない。更には命の力を吹き込む方法は"口移し"、いわゆるキスによる方法であった…。 面白い所や見どころ: ヒロインの亜矢と、その隣にやってきた死神グリアをはじめ、次々に現れる人智を超えた住人達との話ですね。絵柄もそうですが、学生の時にコンビニで立ち読みしたサンデーを思い起こさせてくれる作品でもあります。 ノスタルジックは、読者の心をこれでもかと射止めてくれるのですよ。 ここからが本題です。 話の核にあるのは、"死神によって生き返った少女が、生きるために1日1回死神とキスしなければならない"という事でありますが、「このネタで小説を書きなさい」といわれたら非常に難しいと思われます。 言い換えれば女の子の逃げ道をそういう風にして塞いでしまったという事で、これを上手く使って作者さんによっては"死神が女の子にいやらしい目的でそういう風に迫る"みたいな、不快な方向へと持って行く人が他サイトだと結構いると思いますし、そもそもが"主人公の立場にとっては積極的にそうしたい話ではない"事でありますので、それを"いい話の方向に持って行く"には話の内容をしっかり考え込んでいないとできない事ではないでしょうか? (その辺、桜咲さんが非常に良識のある方だと伺えます。小説は作者を映す鏡とは、的を得た話ですよね…) 理由としては、亜矢を取り巻く死神グリアをはじめ、話の節々で登場する"分かりやすく人智を超えた"人(なのか?)達にもそれぞれの思惑があり、それが話の流れとなっているという事です。これもまた"上手い!"と思わせる点で、グリアが亜矢に"命の力"を吹き込んだ後どうなるのかという話も、読者を"最後が気になる!"と揺さぶる素晴らしい要素でもあります。 思惑が絡み合う話は、複雑になりやすいのですが、お手本のように分かりやすいと言うのも評価すべき点ですが、これは読んで頂いた方が分かるかと。 どんなお題も、作者の手腕で名作に変えられる。そんな可能性を教えてくれた良き作品に感謝です。この作者も自分の作品の雲行きが悪い時に"お題"の部分に原因を求める事があったのですが、その所為にせず頑張っていこうと思いました! 個人的に注目して頂きたい点は: ・お奉行が感じた懐かしさは、刺さる人には刺さる! ・難しいお題で、しっかり話を作り上げた構成力 ・亜矢を取り巻く、人物達の目的が分かりやすく書かれている です! ↓URLはこちら https://estar.jp/novels/25681443
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加