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演劇部部室にて
https://estar.jp/novels/25695241/viewer?page=2
できるだけ放任してくれた演劇部の若い女の顧問、望月先生もさすがに、放課後、4人の部員を集めて、話に加わったのだ。
ここは、体育館の舞台裏、中二階の演劇部の部室。
「文化祭に間に合うと思う?みんな」
「いや。それは」
部長の涼子ちゃんが、下を向いた。
「私はね、台本、確かにみんなで書いた方がいいって言ったよ。そっちの方がアイデアが多い。ストーリーの矛盾なんかも気づくしね。でも」
「あはっは。つい調子乗っちゃいました。すいません。でも、もとはと言えば、醤子ちゃんが」
邪美ちゃんが、あっけらかんと言い放つ。
「あの。わかってます。先生の言わんとすること。でも。なんか空気が、ああなってしまって。すいません」
副部長の、京太郎君は、4人だけの部の唯一の男子部員だ。
「で。どうするの?これ。チャルメラなんか出てきちゃって、寅さんだの、ソープランドだの、蒙古タンメンだの。高校の舞台にはかけらんないよ。そもそも、ええと。どういったストーリーなの?落し物はなんなの?」
「なんですかね?」
「見つけにくいものですか?」
「カバンの中も机の中も探したけれど見つからないのに」
「まだまだ探す気ですか?マジですか?」
「先生、そんな歌詞じゃありません」
https://estar.jp/novels/25695236/viewer?page=5
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