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文化祭まで何時間?
スタートはこちら 卯都木涼介さま
https://estar.jp/novels/25695236
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望月先生は、深刻な表情でぽつりと続けた。
「残り後……三時間よ」
「うそ~!?全然、時間の流れ一緒っぽくない?」
騒ぐ邪美たちに、涼子は軽く頭を抱えた。
「むしろ、店内の流れのほうが遅いってことね」
「でも、三時間でどうやって舞台を完成させるのよ。台本もできあがってないのに」
頭を抱えていた涼子は、決然と顔を上げてきっぱりと言った。
「私たちは、今、何を経験した?
ラーメンの宇宙に、チャーシューの奇跡も見たじゃない。あれだけの経験をみんなに伝えないでどうするの。
だから、登場人物は私たち自身。台本は、今経験したことをそのまま台詞にすればいいのよ。それこそが、すべての〝あい〟を伝えられそうじゃない」
「確かに、経験したことなら読み合わせは最低限で済むわね。衣装も制服で大丈夫だし、舞台も部室を模せばいいのね。ライトを調整すれば宇宙も表現できるわ。
魂で宇宙に行ったことにすれば、大道具もいらないもの」
望月先生の顔が少し明るくなった。
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