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ピュアラブ スティック
https://estar.jp/novels/25695236/viewer?page=9
↑前のお話
「ちょ、ちょっと待った~」
舞台の準備を始めた一行に声をかける、一人の男がいた。
「あ、あなたは! なると大王?」
「はあ、間に合った。君達は長い旅を経て、本当の愛を手に入れることができた。そして完成したんだ、幻のアイテムが」
そう言うと、なると大王は、一本の棒を差し出した。
「それは……」
「これは君達の純愛を集めて作った魔法の杖、ピュアラブ スティックさ」
「ピュアラブ スティック!」
「そう、これがあるとなんでも願いを叶えることができる。君達の舞台を最高のものにするためにどうしても必要だったんだ」
「……何ができるんですか?」
「見ててごらん」
なると大王は望月先生にスティックを渡すと、耳元で囁いた。
「え?」
少し疑いを持った視線で、なると大王を見つめ直す望月先生。
なると大王は、ただコクリと頷いた。
「……わかったわ、やってみる」
そう言うと、望月先生は大きく手を振りかざし、スティックを邪美に向けて振った。
邪美の体はみるみるうちに光に包まれ、パアっと大きな輝きが瞬いたと思った瞬間……
「私のこの衣装は……チャシュー!」
続いてスティックをクルクロと回し、生徒たちに向けて、振っていった。
すると、
涼子部長は玉子の衣装に
京太郎はメンマの衣装に
醤子は海苔の衣装へと変化した。
「そして私も参加しよう」
そう言うと、なると大王は鳴門の衣装に変身した。
「さあ、これで最高のキャストが揃ったわね」
望月先生は最後にスティックを持ちながら、グルグルと回転を始めた。
すると、そこから光の渦が生まれ、やがてその渦は大きな器と、あふれ出すスープの海、キラキラと輝く麵のさざ波のステージへと変化した。
「これで最高の舞台も揃ったわね。さあ、みんな。ラーメンの海原で、思い切りいい演技をしてきなさい!」
すべてはこの瞬間のために続けてきた長い旅……
いよいよ最終話!
トリを飾るのは、もちろんこの人。卯都木涼介さん!
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https://estar.jp/novels/25695236/viewer?page=10
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