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240. ラスト・ナーダム
モンゴル Mongolia 1995( ホジルト Khujirt )
本日は小生にとって思い入れの深い一枚を。
舞台は夏の祭典ナーダムに沸くモンゴルの地方都市ホジルト。
この地に小生が至ったいきさつは、ウランバートルで知り合った友人の奥さんの実家がこの街にあり、ナーダムの里帰りに便乗させてもらうことになったと言うわけです。
乗用車をチャーターしての里帰りだったので、そのついでにゲルで寝たきりがちだった奥さんのお父さんをその車に乗せてナーダム会場を廻ろうということになり、先日紹介した子供競馬なども一緒に見物しました。
その時に車の運転席と助手席で一休みしていた老夫婦(奥さんの両親)を後部座席からこっそり撮らせてもらったのがこの一枚なんです。
その時も余り具合の良くなかったお父さんは次の年明けに亡くなり、結果的に小生と一緒に廻ったのが、彼にとっての最後の、そう、ラスト・ナーダムとなったのです。
モンゴルを訪れた翌夏、手紙でその知らせを受けた時、お世話になった草原の家族や友人の奥さんの悲しみを思うと、胸か切なくなりましたが、彼らと出会いインスタントカメラで沢山写真(お父さんの写真も含め)を撮ってプレゼントできたことは一写真家として良い仕事ができたと思いました。
あのラスト・ナーダムから四半世紀、そのあと逝ったであろうお母さんと共にあの世でもこんな風に仲睦まじくくらしていればいいなぁと、この写真を見るたびに願う小生でありました。
いま思えば、わざわざお金をかけ車をチャーターして里帰りした理由は足腰の悪いお父さんを外へ連れ出してやろうという娘夫婦の温かい気持ちだったんですね。
左ハンドルですからお父さんは運転してませんよ。
ナーダムの間は終始ご機嫌で、そのあと郊外に住む息子たちのゲルも車で訪問しました。
その時の顛末に興味のある方は是非、小生の紀行文『草原の双コブラクタ』読んでみてくださいね。
https://estar.jp/novels/25641553
おしまい
次回水曜日の東南アジア編はタイのノーンカーイからです。
※前回のお答えコーナー(総評にて)
あとあと読み返してみると、あまり分かり易い説明では無かったかなぁと少々反省していたのですが、とりあえずアホみたいに大変な仕事であることは皆さんに伝わったようなので、一安心いたしました。
いよいよ知床岬昆布番屋編も残すところ最終回のみとなりました。
それ程、意外な展開があるわけではありませんが、オフショットなども含めて最後にふさわしい内容にしようと思いますので、再来週の日曜日にまたよろしくお願いいたします。
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