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https://estar.jp/novels/25704234/viewer?page=4
(↑前のお話はこちら)
邪美は、慌てて床に張り付く鳴門に手を伸ばした。何か大事な物がそこにある様な、忘れてはいけない何かが呼んでいる様な……。期待と焦りが邪美の心拍数を挙げた。しかし……。
──あれ? あれれ?
鳴門が、取れねぇ。ピッタリ張り付いて、取れねぇよ……。
焦れば焦るだけ、その爪は床を抉り、爪と指の間に微かに詰った鳴門をペロリと舐めると、邪美は不敵に微笑んだ。
──こんな物、いらねぇよ!
そして、力任せに鳴門を踏みつけた。それは、『プ二ッ』と音を立てて、柔らかく押し広がる様に潰れる……筈だった。しかし、邪美の足元から聞こえたのは……
『ポチッ』
──ん?
その途端、鳴門は煙を出しながら、大きく膨らみだした。大きく膨らみ、大き過ぎる程に膨らんだ。
邪美は、それを見て沸き起こった食欲を抑えきれずに、唾を垂らして噛み付いた。
パン!! プシュー……。
しかし、それはたちまち破裂して、そこには煙が広がった。しかし、その煙の向こう側に、何か居る。それは……
「お父さん……」
邪美のチャーシューを見て、寂しそうに呟く一匹の子豚だった。
続きはこちら↓
https://estar.jp/novels/25695969/viewer?page=3
(皆様、お邪魔しました~)
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