異世界からの贈り物

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異世界からの贈り物

イラスト/えんどーる様 https://estar.jp/users/3284646 公開日:2021/3/4 139dd62b-1f0c-46e1-a74a-e8d88458b6b2 (御主人、お届け物ですよ) 空から円を描くように舞い降りた鳳炎は、 テレパシーでそう言って俺に荷を押し付けると右腕に止まった。 「誰から?」 手紙どころかメッセージカードも無し。 でも見ず知らずの荷を預かる程、鳳炎はお人好しじゃないから知り合いのはずである。 ((ことづ)けて下さったのはヒロトさんですが、作ったのはアキトさんだそうです) ーー突然どうしたんだろう。 ラッピングされた透明な袋から見えるのは、 美しい輝きを放つ7色の結晶体。 (飴玉だそうですよ) 「へー」 何かしたっけ? と首を傾げてみるけど、 今のところ何も思い当たることなんて……。 ーーあった! イベント事態はもう過ぎてしまったけど、 2月はバレンタイン行事がある。 恐らく甘いもの大好きなアキトに頼まれ、弟大好きなヒロトが手を貸したってところか。 何とも分かり易い思考の双子である。 「 奏術技で作ったのかな?」 (エクゼクト・スキル?) 「ヒロトとアキトの世界では、歌や想像力で魔法のような力を構築するんだってさ」 まだ舞台裏でしか会ったことがないので、詳しい事は知らないけど……。話し相手になってくれていたアキトに向かって、「俺の世界にも似たような魔法はあるけど、味まで再現できるなんて凄いね」と、素直に褒めたところ。機嫌を良くしたヒロトから、「そんなことが出来るのはアキトぐらいだ」と教えてもらい。機会があれば食べてみたい、と言った事を思い出した。 「バレンタインのつもりかな?」 (差し入れだと言ってましたけど?) しかし、簡易なラッピングの中に入っているのは、両手で数えられる程のお菓子。 おまけに鳳炎に託けた時点で、俺個人宛のような気もするけど……。 こうなったら解決手段は1つしかない。 鳳炎も似たような事を考えていたようで、 目を合わせると同じ質問を同じタイミングで提案する。 「一緒に食べる?」 (一緒に食べますか?) ======= 『絵師がみたいシーンを絵にしたら    物書きさんがSSをつけてくれる』 えんどーるさんからの決め手フレーズ 「一緒に食べる?(ますか?)」 ======= 本投稿はこちら↓↓ https://estar.jp/pictures/25790914
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