七月流矢 (静木 洋様)

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七月流矢 (静木 洋様)

 読み終わったように、ふ、と息を吐いてしまいます。  静かな小説の世界に引き込まれます。美術館で一枚の風景画に見入ってしまうような感覚。  静かな世界なんですが、というか、表現がとても豊かだからこその静かな世界というか(言葉選びがすごいんです。引き出しいっぱい持ってらっしゃるんだろうなという。)その中で揺れ動く心に続きが気になって、知らぬ間にどんどん続きを追っています。  そして一緒にどきどきしてしまいます。    それともう一つ。  冒頭で主人公が口にした言葉の意味、皆さま分かりますでしょうか。私は分からないまま最後まで読んでしまいました…お恥ずかしい  引き込まれているうちにそのことを忘れ、読み返して、あ、と思って調べて、そういうこと! となりました。  読後に思い出すと、これが効いています。なんてこと。すごく素敵な流れです。 https://estar.jp/novels/25688446  他にも素敵な作品が沢山あります。人間、を描くのがとてもうまい方で(私が言うことじゃないですが;)、どれも引き込まれます。  ぜひ読んでみてほしいです。
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