綾瀬ルナさん

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綾瀬ルナさん

運命を塗り替える https://estar.jp/novels/25878415 この作品を読み終えた最初の感想は……。 「うわぁあーーーーもったいなっ」です。 何が勿体ないのかは、多分言わなくてもこの作品を読んだ人全員の共通の感想ではないかと……。もちろん、綾瀬さんご本人も、そう思っているはずですね。 ズバリ! そうでしょう! by まるおすえお さて、そのことは敢えて置いておいて、先を進めましょう。 この作品って、もの凄くもの凄いんですよ。 (。´・ω・) ぇ? 何言ってるか分からない? いや、内容と言うか、設定がです。 普通の人はこんな話、考え付かないんじゃないでしょうか? 例えばRPGのドラゴンクエストってご存じでしょうか? 勇者に選ばれたプレイヤーが、あちこちの町を訪れて情報を集めたり、魔物を倒して経験値をあげたりするんですけどね。 プレイヤーが情報を求めて町へ行くでしょ? でも、その町にいる全ての人が、重要な情報を持っているわけではないんですよ。 大半のキャラクターが、ただ町の中をウロウロしていて、話しかけたプレイヤーに全く意味のない情報だけを答えてくれる、モブキャラクターと呼ばれている、名前の無いキャラクターなんです。 で、本作なんですけど、主人公が、その名も無きモブキャラクターなんですよ。 名も無きモブキャラクターの視点で、シナリオキャラを見ているという、斬新極まりない作品なんです。 もうねぇ、この設定だけで、この作品は100点なんです。 惜しむらくは、最後の後書き。 あの後書きを読んで、初めて「あーーーそういうことか」と納得が出来るところが多々あったのが残念です。 せっかくあの後書きのような設定があったのなら、作中にもう少し分かり易く出してあげるべきでした。 特に主人公の少女なんですけど、『ゲーム内では、名前ももちろん背景すら描かれておらず、キャラクターデザインもされていないので、この子の容姿についてはあえて記載しませんでした』とあるんですよ。 そういう設定があっての主人公なので、「少女」という単語を外せないのは分かるのですが、思い切って一人称の方が良かったかなぁ……と思います。 「名も無き少女」を印象付ける為に、三人称でやってしまった為に、結局、一人称と混在して分かり辛くなってしまっている場所が多々あるからです。 尚且つ、心の声的な一人称が続いている途中に、( )で(くく)った心の声も、何でここだけ( )で括ったのか意図が分かりませんでした。 例を挙げると、P5 そう憤慨しながら少女は小走りからさらに足を速める。← 三人称 確かに現状ニーナの魔法は開花されていない。← 一人称 このままいけば物語り通りニーナは魔法を開花させることだろう。← 一人称 魔法を開花させるだって? ← 一人称 なんて拍手されて祝われて? ← 一人称 ちやほやされて? ← 一人称 優しくされて? ← 一人称 (絶対に認めない! 他は認めても私だけは認めてたまるかッ!) ← 心の声 少女は息まいていた。 ← 三人称 他にも、少女という言葉を使った三人称の直後に、急に心の声的な一人称が入るのもNGだと思います。 P5 努力をした少女の力とぽっと出で開花したニーナの力、どっちが優れているか半年後に思い知らせてやる。努力を馬鹿にするな。 一人称なら 努力をした私の力とぽっと出で開花したニーナの力、どっちが優れているか半年後に思い知らせてやる。努力を馬鹿にするな。 三人称なら 努力をした少女の力とぽっと出で開花したニーナの力。 どっちが優れているか半年後に思い知らせてやる。努力を馬鹿にするな。と少女は思った。 そういうことを総合的にとらえると、一人称で統一した方が良いような気がしますけど、ただ、そうしてしまうと前出の通り、綾瀬さんの意図する「モブキャラ感」が薄まるのも、事実ですから、難しいところではありますけど……。 長くなったので次へ
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