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ゆかももさん
留守番をした☆たけし
https://estar.jp/novels/25872522
本作は「留守番をした たけし」の改稿版ということなのですが、二つの作品を読み比べてみるまでもなく、相変わらずほのぼのとした世界観を作るのが上手いですよね。
これに関しては、特にアドバイスをする必要も無いくらい、上手に描かれていて素晴らしいと思います。
専業主婦の仕事を、ホームヘルパーとして捉え、給料換算して読者に伝えている点や、外で働いている夫が、主婦業に対して毎日が休みみたいなものとだと、昭和の企業戦士みたいな考え方をしていて、実際主婦業をしてみたときに、初めてその大変さを知る。
というのを、読者に対してアピールするやり方も、すごく良いと思います。
ただ、前にも申し上げた通り、この流れだとどうしても、妻を怒らせてしまった、家事をしたことがない夫の、育児奮闘記になってしまっているので、そういう話が好きな読者は、エブリスタではやはり少ないですよね。
個人的には、家事育児初心者マークの頼りない主人公を、読者が応援したくなるような話にしてあげた方が、読者ウケするのではないかと思います。
ということで、僕だったらこういう風にしますということでいうと、前のときに提案したように、妻がいなくなった理由を明かさずに、突然子供二人の世話をしているという設定の方が、読者は「妻がいなくなった理由」を含めて、先を気にしてくれるんじゃないかと思うんですよ。
もしそういう話にするのでしたら、書き出しの「妻のひろみが家を留守にしてから二日目」という一文はいらないです。
例えば、
たけしは娘のお弁当を作っていた。
今までそういうことは、妻のひろみに任せっきりだったけど、こんなことなら、妻がいるうちに、もっと色々なことを一緒にやって、教えてもらっておけばよかった……。
こんな感じにすると、読者が色々考えてくれますよね。
妻は離婚して出て行ったのだろうか?
それとも、突然事故で死んじゃったのだろうか?
色々考えさせることで、突然妻がいなくなって、二人の子供を一生懸命育てようとしている夫の姿を、読みながら一緒に応援してくれるのではないかと思います。
なので、僕だったら第2章の「はじまり」も、少し先まで伸ばして、読者には伏せておきます。
これは、最後のオチに入るところで、実は妻は離婚もしていなければ、死んでもいなくて、実家に帰っているだけだった。
のところまで、明かさないでおいたほうが、読者に「騙された感」を与えると同時に、妻が帰って来てくれて良かった。というハッピーエンド感も与えられると思うからです。
せっかく改稿するのでしたら、思い切ってこれくらいやっても良かったのかなぁ……と、少し残念でした。
とはいえ、ゆかももさんの描く、ほんわかな緩い世界観はちゃんと作れているので、この世界観が好きな読者にとっては堪らない作品になっていると思いますよ。
(*´ω`*) 引き続き頑張ってください。
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