音楽が、あの日の痛みを忘れない * 『恋の謎解きはヒット曲にのせて』

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音楽が、あの日の痛みを忘れない * 『恋の謎解きはヒット曲にのせて』

こんにちは、未苑です。 週初めに投稿しました『これは秘密の恋、ではない』にスター下さった皆様、誠にありがとうございます!!! しかも、蜜原みな子ちゃんがご自身のエッセイ『375ch』でご紹介下さいました、嬉し過ぎます。誠にありがとうございます✨😭✨   📖身に余る紹介文にミソノ、感激!→https://estar.jp/novels/26187481/viewer?page=105 d2c79564-75d3-4f2f-b196-a92fdeb3554d 今回紹介の作品に合わせて♪ タイムオーバーで顔しか描けず無念💦  ✽音楽と、隠された想いが流れてくる小説* 『恋の謎解きはヒット曲にのせて』 大石大 双葉文庫 📖ご紹介の作品はこちら→https://amzn.asia/d/hyHErPv 歌を聴いた瞬間、あの頃の気持ちが甦る……。 音楽は不思議ですね。それが、痛手を負った恋の記憶と重なるなら尚のこと……?!(←心当たりがあるらしい) ピンポイントで心の傷を穿ってくるなぁ、と本屋の平積みで最近出くわして衝動買いした小説です。 いつも恋愛が上手くいかないアラサー独身の(あや)。彼氏と喧嘩別れした帰り道、行きつけのバー「smile」で気さくなママ・みひろに失恋話をこぼします。 「なんで上手くいかなかったんだろう……」 当時のヒットソングを絡めつつ、過去の別れを振り返る綾に、カウンター並びの初老の男性・が「ホーソン実験」など、心理学用語を呟きます。別れた相手が隠していたそれぞれの事情とは…… ♪収録曲♪ YUI「CHE.R.RY」、AKB48「フライングゲット」、BUMP OF CHICKEN「天体観測」、宇多田ヒカル「First Love」、My Little Lover 「Hello, Again ~昔からある場所~」、星野源「恋」 ちょっと予想外の面白さでした! 正直言うと、この作品で扱われる楽曲に個人的に想い入れはなかったのです💦 ところが、歌のタイトルを冠した章ごとに失恋の謎が解かれていくと、自然とその歌が頭に流れてきて……心地良かったです♪ ヒットソングとは、〈当時日本でメディアに触れていたならば耳に入れているもの〉。これがカギになっていて、憎いです!! 実際、有名曲を題材にした小説は多く、歌詞からイメージした物語(※1)が多いと思うのですが、本作ではあくまでもストーリーの根底に流れるBGM。(※2) 「First Love」の章では、綾が好きだった男の子との甘酸っぱいやりとりの中で、街のCDショップが閉店していく片鱗から不景気の煽りを感じさせます。そうそう、宇多田ヒカルと浜崎あゆみのアルバム発売が重なり、売上枚数を競っていたエピソードとか懐かしかったのも◎(笑) そして、どの失恋も〈悲しい思い込み〉からのすれ違い。それぞれの相手に、当時の社会事情が絡んでいることに胸が痛みました。それが事件や事故の被害者なら、尚更に。 世は歌につれ、歌は世につれ。 胸をふるわせるトキメキを人は忘れていく。けれど、手放すことの出来ない想いは風化することなく、あの頃のメロディとともに流れ続けるのでしょう。 次回こそは、進化した綾ちゃんの恋愛話を聴いてみたい♪ 2ndアルバムを期待できる新人のように、シリーズ続編を待ち望む作品でした。 追記 ※1 ポップソング小説というと、私が読了したのは『Yuming Tribute Stories』(アンソロジー・新潮文庫)と松任谷由実(ユーミン)楽曲インスパイア作品集や、 ※2 その意味では、今作は『ハイ・フィデリティ』(ニック・ホーンビー著・新潮文庫)日本版かも、と気付きました。こちらも「過去の失恋トップ5」を振り返る中で音楽が流れるという。失恋オトコ、失恋オンナを主人公にした物語はドラマが広がりやすいのと、必死すぎて黒歴史にもだえる姿に愛着が持てます(←自分自身の場合は憤死ですが……💦) *いつもペコメありがとうございます♡ お返事は前回のペコメ欄へ返させていきます♪
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